
離婚調停って弁護士なしでもできるの?
いざ離婚調停をしよう!と決意した時に考えることのひとつとして、弁護士を依頼した方がいいのかということがあると思います。弁護士さんにお願いできれば心強いですが、お金のことやその必要性が気になりますよね。
そこでこの記事では、
についてまとめました。

私も実際に弁護士なしで離婚調停を成立させました!
自分の力で離婚調停を成立させたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
1、離婚調停は弁護士なしでも可能か

結論から言うと、弁護士なしでも離婚調停は出来ます。
もちろん弁護士に依頼するメリットはたくさんあります。専門家が味方であることは心強いし、手続きも全部代行してくれるので、お金に余裕があればお願いをした方がいいと思います。
ですが、離婚調停においては弁護士さんじゃなければ出来ないことって実は何にもないんです。

え、そうなの??
自分でも離婚調停を行うことは可能ですが、代行してもらうことで精神的に楽だったり調停を有利に運べる可能性が高いです。それに対してお金を払う価値があると思えば、弁護士さんにお願いするということになります。
洗車も自分ですることは出来ますが、めんどくさいしお金を出せばガソリンスタンドで洗ってもらえてピカピカになりますよね。そんな風にイメージしてもらえればいいと思います。
離婚調停はあくまで話し合い
離婚調停はあくまで話し合いです。ドラマなどでイメージの強い離婚裁判とは別のもので、夫婦の意見が合わない限り離婚はできません。裁判所は夫婦の間に入って話し合いの助言をしてくれたり、離婚の条件について客観的に意見を述べたりする役割をしてくれます。

お手伝いをしてくれるだけだよ!
そのため、離婚裁判のように裁判所が最終的な判決を下すということはありません。弁護士に依頼して自分に有利になるように運べたとしても、相手がそれを承諾しない限り離婚や離婚に関する条件を決定することは出来ないのです。
手続きも難しくて自分では出来ないイメージがあるかもしれませんが、実際にはそこまで難しいものではありません。1人ですべてを行うので大変なところはありますが、本やネットで調べれば方法は簡単に見つかります。わからないことがあれば、裁判所の方も教えてくれます。
私自身も自分で離婚調停を申し立て、話し合いを進め、調停を成立させるまでを自分で行いました。大変な部分も多かったですが無理なことではなかったし、お金もかからず自分のスキルアップにもつながったので、自力で離婚調停をして良かったと思っています。
弁護士なしで離婚調停をする人の割合は?
2019年に離婚調停において弁護士をつけた人の割合は53.7%です。
半数以上が弁護士をつけて離婚調停を行っているので、数字だけを見れば自分もつけた方がいいと不安になる人も多いでしょう。ですが反対に残りの46%の人は自分で調停を行っています。こういった実態を考慮しつつ、弁護士に依頼するべきかは自分に合わせて考えるようにしましょう。
2、弁護士なしで行う離婚調停の費用

弁護士なしで離婚調停を行う場合、費用は3000円~1万円程度で済みます。
手数料 1200円
離婚調停を申し立てるのに必要な手数料です。収入印紙を購入して納めます。離婚調停のみなら1200円ですが、同時に婚姻費用分担請求調停などを申し立てる場合はそれぞれ1200円ずつかかります。
戸籍謄本代 450円
離婚調停を申し立てる際に夫婦の戸籍謄本が必要になります。本籍地に取りに行けない場合は別に郵送料などが必要です。私の住む市町村では往復の切手代+定額小為替の手数料200円がかかりました。
切手代 約1000円
予納切手といって、裁判所から相手に書類を送付するために必要な切手を、申し立ての際に一緒に納める必要があります。内訳は裁判所によって異なり、最終的に余れば返却されることになります。
そのほかにも、裁判所までの交通費や裁判所に書類を送付する際の郵送代・コピー代がかかります。
申し立ては相手の管轄裁判所
気をつけてほしいのは、離婚調停をするのは相手の住所を管轄する裁判所ということです。すでに別居をしていて相手の住所が遠方の場合、離婚調停が行われるたびにそこまで行くとなると交通費の負担も大きくなります。
夫婦の合意があったり特別な理由があると裁判所が認めた場合は、申立人の住所を管轄する裁判所で行うことも可能になるので、費用の負担が心配な人は管轄の裁判所に確認してみましょう。

私も自分の住所がある裁判所で離婚調停を行いました!
弁護士に依頼した場合の費用は?
離婚調停を弁護士に依頼する場合、50万円~100万円以上の金額がかかります。

高すぎるっ!
金額の内訳は相談料、着手金、日当、実費(交通費や宿泊費)、成功報酬となっています。離婚調停において争点になっていることが多かったり、話し合いがまとまらず離婚調停が長引いていくと、金額も高額になっていくようです。
弁護士費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になると思います。
ちなみに、離婚調停の費用を直接相手に請求することはできません。これは離婚の原因が浮気やDVなど、明らかに相手に非がある場合も同様です。慰謝料で相殺したり相手が支払いに同意すれば請求は可能ですが、通常はお互いに費用を負担するのが一般的です。
3、離婚調停の流れ


本当に弁護士なしでも離婚調停を進めていけるの?
離婚調停がどういったものかわからず不安な方のために、離婚調停の流れを簡単に説明します。
離婚調停の申し立て
まず相手の住所を管轄する裁判所に離婚調停を申し立てます。申し立ての方法や必要な書類は裁判所のホームページにものっていますし、管轄の裁判所に行けば詳しく教えてくれます。わからないことや聞きたいことがあれば電話でも大丈夫です。
通常は申し立てから1ヶ月以上2ヶ月以内に1回目の調停期日が決まり、相手にも裁判所から連絡がいきます。
離婚調停の開始
1回目の離婚調停では、申立書に書いた内容の確認や離婚の意思、希望する条件についての確認などがあります。基本的には相手と直接顔を合わせることはなく、別々に話を聞かれて話し合いが進んでいきます。
初回で離婚調停が成立することはほとんどありません。2回目以降の調停は状況に応じて1ヶ月に1回程度のペースで進んでいきます。
離婚調停の成立
離婚に合意することができたら、その内容を記した調停調書が作成されます。そしてどちらかが市役所に離婚届を提出し離婚成立となります。調停離婚の場合、相手や証人の署名は必要ありません。
離婚調停の不成立
話し合いがまとまらない場合、離婚調停は不成立もしくは取り下げになります。不成立になった場合、その後は離婚訴訟を起こすことになりますが、再度協議離婚や離婚調停で解決を目指すことも可能です。

流れがわかれば不安も減りますね!
4、離婚調停を弁護士なしで行う3つのメリット


費用や流れはわかったけど、やっぱり弁護士なしにはメリットなんてないよね?
ここでは弁護士なしで離婚調停を行う場合に得られるメリットを3つご紹介します。
調停費用が安く済む
弁護士費用がかからないのは、一番のメリットだと思います。弁護士なしで離婚調停をすれば、数千円程度しかお金はかかりません。シングルマザーとして自分が子どもを育てていくと考えている場合など、離婚をするとお金がかかることも多いです。そういったときのためにも、まとまったお金はなるべく残しておいた方がいいと思います。
また、離婚調停が不成立で終わったとしても、弁護士費用の返金はできません。そうなると、せっかく払った高いお金は意味のないものになってしまいます。弁護士に依頼をする際は、離婚できなかったとしても弁護士費用に使ったお金を諦められるかをよく考えてから依頼するようにしましょう。

まずは自分で進めてみて、どうしても難航して困ったり一人で頑張るのはもう疲れた…となってから弁護士さんに依頼しても遅くはないと思います!
離婚調停がスムーズに進むことも
あなたが弁護士をつけて離婚調停に臨むと、相手も弁護士をつけようと考える場合が多いと思います。相手によっては弁護士をつけてまで離婚したいのかと反発し、意地になって離婚をしないとも言いかねません。
また、自分で離婚調停を行うとなるべく調停の中で解決しようと考えるのに対して、弁護士さんの中には話し合いが進まないならすぐに裁判をしようと考える人も少なくないようです。
そういったことを考えると、弁護士を依頼しない方が離婚調停がスムーズに成立する可能性もあります。相手のタイプや離婚にどの程度合意しているかにもよりますが、弁護士をつけた方がいいかは慎重に考えた方がいいでしょう。
弁護士選びを失敗する心配がない
普段から馴染みの弁護士さんがいるという方はあまりいないでしょうから、離婚調停で弁護士を依頼するためには、自分で一から弁護士さんを探すことになります。そうなると最初は信頼できると思って選んだ弁護士さんでも、離婚調停を進めていくうちに違和感を覚えることもあるでしょう。
中にはお金が貰えればいいという考えの人や、事務的でまったく親身になってくれないという人もいるかもしれません。有名でとても良い弁護士の方にお願いできても、忙しすぎてなかなかスケジュールが合わずに、離婚調停にかかる期間が長くなってしまうこともあります。
離婚調停を効率よく進めたいと考えている人にとって、弁護士選びに失敗して無駄な時間やお金を使う可能性がないのは、メリットのひとつと言えるでしょう。
5、離婚調停を弁護士なしで行う3つのデメリット

弁護士なしで離婚調停を行うには、やはり大変なことや難しいこともあります。私が実際に経験して感じたデメリットを解説していきます。
何でも自分で行う必要がある
離婚調停に慣れている人はいないでしょうから、一からすべてを自分で調べて行うのは時間も労力もかかります。手続きについては裁判所に聞けば問題ないのですが、陳述書の書き方や話し合いの論点など、離婚調停を有利に運ぶためのコツや要領は、本やネットで調べて何とかこなしていった部分があります。

私はこちらの本を参考にしました!
離婚の用語や気をつけるポイントなどが、初心者にもわかりやすく書いてあります。私はまず何冊か本を読んで大体の要点を把握し、あとは実際に進行していく上でわからないことがあれば調べていくという方法で進めていきました。
自分の言葉で説明する必要がある
離婚調停で調停委員さんと話すときに法律的な用語を使う必要はなく、自分の言葉で話すことが出来れば問題はありません。わからないことがあれば質問をしたり説明を求めてもかまわないでしょう。ですが当日は緊張してしまい、自分の言いたいことを何も言えなかった…という人も少なくはありません。
そういった場合に弁護士に依頼をしていると、離婚調停に同席してもらうことが可能になります。(基本的に調停室の中まで同席できるのは弁護士だけです。)あくまでやり取りをするのは自分ですが、自分の味方として的確に発言できるようにサポートしてくれる人がいるのはとても心強いと思います。

自分に非があるけど有利に進めたい場合はお願いするべきかも!
最適な引き際がわからない
弁護士なしで離婚調停を行っていると、自分がどの程度譲歩すべきかという判断が難しいときがあります。
こういったときに弁護士がついていれば、妥当な金額を提示してくれたり相手が納得しやすいように交渉してくれたりと、上手く話し合いを進められるように動いてくれます。
弁護士なしで離婚調停を進めていく場合は、最初に自分が絶対譲れない条件を決めることで、判断が必要なときでも迷わず決断していくことができるでしょう。
まとめ:弁護士なしでも離婚調停は可能
弁護士なしで離婚調停を行うことは可能です。手続きも実際の話し合いも自分でできないことはありませんし、世の中には情報が溢れています。わからないことや不安なことがあれば、様々な方法で解決することができます。
ですが、離婚調停を行うことは大変ですか?と聞かれたら大変ですし、精神的にも辛い部分はたくさんあります。そういったストレスや労力を費やしたくない人は、弁護士さんにお願いすることでメリットをたくさん実感できると思います。
どちらを選ぶかは自分次第ですが、自分で離婚調停をやり切ったという事実は離婚後も自信をもつことにつながるでしょう。

自分に合ったやり方をよく考えましょう!
本日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。